気づいたら前歯の裏側が死んでいました。死んでいたとはどういう状態なのかというと、ザラザラしてて茶色。ザラザラして茶色い状態を死んだ状態と呼びます。毎日タバコ30本とか吸うから原因はきっとそれですね。
たまたまお世話になっていた方が歯科医院の先生だったので、その先生に連絡して、死んだ前歯の裏を復活させてほしいとお願いしました。土下座しながら歯科医院に電話して予約をします。
そして診療当日、しばらくぶりの歯医者って緊張しますよね。子供の頃から歯医者は苦手です。
「先生、僕の死んだ前歯を生き返らせてください」
「うむ」
チュイーンとかドガーとかゴォーとか言わせながら、複数の機械が僕の前歯の裏を縦横無尽に駆け回ります。削ったりしてるのでしょうか。いいで誰でも。
処置の甲斐あり僕の死んだ前歯の裏は見事に生き返りました。ザオリク先生ありがとう。
しかし新たな問題が発覚します。
「you他の歯も結構虫歯あるYO?」
というわけで、前歯以外を治療するために通院をすることになります。今日は前歯だけらしいので、日を改めて治療をスタートするとの事。
約2週間後、1回目は歯全体がどのようになっているのかを確認するためにレントゲンを撮ったりします。レントゲンの内容を見て「小野さん、あなたの歯はこのままでは終わってしまいますよ」と死刑宣告を受けます。
次回からは本格的に治療に入るとの説明を受け、計30分程度で終了。
さらに2週間後、まずは歯周病をどうにかしないとあなたの歯終わるよ?との事なので、歯周病の治療が開始します。まずは下の歯からだったかは忘れましたが、とにかく下から治療。治療時間は計30分程度。
今日はできなかったので次回は上を治療しますなどの説明を受けて終了。
さらに2週間後、前回出来なかった上の歯周病の治療を30分程度かけて終了。次回から虫歯の治療を始めますと説明を受けます。
こうして、約2週間〜1ヶ月のスパンで右上奥歯、左上奥歯、上前歯、右下奥歯、左下奥歯、下前歯のようにパートを分けながら、約半年弱、毎回約30分程度の治療をされるんです。
なんで毎回30分程度しか治療しないの?
1回の治療時間を倍にすれば通院回数減って正直僕は楽なんですけど!
みなさんそう思いませんか?もしかしたら僕がお世話になっている歯科医院だけの方針なのでしょうか?
僕の通う歯科医院には「予約患者を優先して治療します」的な張り紙が貼ってあるのですが、2週間とか1ヶ月先の予約をする際、その予約時間周りがビッシリ埋まってるって事あんまりないように思うんです。会計時にチラッと予約ノート見えるので、多分全埋まりはしていない。
であれば杓子定規に30分で治療を切り上げるんじゃなくて、1時間、空いてるなら1時間30分でも2時間でもドーンと僕に時間を使ってくれても良いのでは?と思っちゃう。
それをしないのはなぜか?
これはただの推論なのですが、患者に「定期的に」「忘れずに」通院してもらうよう歯科医院側から調教されているのではないかという話です。
つまり、僕のようなガサツでルーズな奴って結局のところ前歯の裏が死ぬまで歯のことを気にしない奴であり、前歯が死んじゃってから慌てて歯医者さん助けてくださいお願いしますー!って助けを乞うんですよ。
そんな奴にある程度時間をかけての集中治療を施して、全快までは行かずとも65%あたりまで歯を回復させちゃったら、ガサツでルーズな患者はそこそこ問題も解決して良かったーって満足しちゃう。
ある程度満足しちゃったもんだから、次回の予約のことなんてガサツでルーズが故にすっぽり忘れちゃう。歯は65%までしか回復してないのに治療に行くという行為自体も、歯のケアも忘れ、時間と共に65%から30%、そして最終0%まで落ちる。
完全回復しない状態で0%まで状態を落としてからまた歯科医院に助けを乞うが、歯の最大HPはどんどん下がっている、つまり前回より歯周病がひどくなっていたりする。
そんな大馬鹿を産まないために、歯科医院側としては、治療を敢えて細かく分け、歯医者に定期的に通院すること自体を患者に習慣化してもらわなければならない。全ては患者の歯の健康を願っているから。
そんなわけで、僕も細分化された治療をそつなくこなし、歯周病も虫歯もない完全無欠な歯を手に入れました。あとは定期的なクリーニングだけというステージまで上り詰めることができた。
「じゃあ次回は2ヶ月後で」
「じゃあ次回は3ヶ月後で」
「じゃあ次回は4ヶ月後で」
いやいや4ヶ月後はさすがにないですよ先生!もうそんなの覚えてられない!診察券も何ならどこ行ったかわからない!
僕からのお願い。定期的に通院できる体になりましたので、できれば月1回、最悪でも2ヶ月に1回通わせてください。もっと僕を調教してください。
本当の理由なんて知りません。全部妄想です。
現場からは以上です。